会長挨拶               

    日本体操学会会長  金子 嘉徳

                                                  

 日本は、世界に例を見ないスピードで少子高齢化時代に突入いたしました。それによって今日、それぞれのライフステージにおいて解決されなければならない課題が山積しています。青少年期においては、運動をする子とほとんどしない子の二極化により、体力も二極化しているという問題があります。壮年期では、生活習慣病の兆候が見られ、この時期の健康づくりへの意識や行動がその後の身体状況に影響を与える時期になります。高齢化では、平均寿命と健康寿命との差が約10年あることから、介護予防の点からも健康寿命の延伸が重要な課題となっています。これからの現状をふまえて、文部科学省は、平成23年に「スポーツ振興法」を改定した「スポーツ基本法」を制定いたしました。その前文で、スポーツの意義について「心身の健全な発達」「健康及び体力の保持増進」「健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠」「地域社会の再生に寄与」等が挙げられています。

 体操は、動きづくりや健康づくりなどの目的を持った身体活動であることから、多様な運動方法や用具が創案され、その時代のニーズや影響を受けて枝分かれしながら実践されてきました。その多様性という特徴により、先に上げた各ライフステージの様々な課題に取り組みやすい柔軟性や、運動継続のための要素として重要な楽しみながら実践する方法も長年培ってきています。このように考えますと、「スポーツ基本法」の前文に直接的に寄与できるのが、まさに体操領域です。そこで、これまで体操領域で培われてきた多様な方法論を様々なライフステージの課題に役立ててもらうには、より実践的な視点で体操専門家が精査し、他の専門領域の方々にも理解できるような形で提案していく必要があります。日本体操学会においても、このような視点を持って課題の解決に積極的に寄与していくことができればと考えております。どうぞ、ご指導、ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

日本体操学会会長
金子嘉徳

学会趣旨

日本体操学会は、20年にわたり活動してきた日本体操学会・体育方法専門分科会の下部組織である体操研究会が母体となり、平成13年に「動いて学ぶ・学んで動く」を学会の基本理念に、実践活動に基づく体操の学術的研究の発展を願い発足しました。本学会は実践的な研究を重視していますので、学術研究者、学校・社会体育の指導者、企業等の幅広い分野の関係者が参集しております。
本学会は研究発表・会員相互の情報交換、研究協力を通して、実践的で魅力ある体操の創造により、国民の健康づくりに貢献する学術研究組織となることを目指しています。
平成19年に日本学術会議研究協力団体として認められました。

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